カテゴリー: 人生, 人間関係, 肯定・自信・成長・行動
第139回 仕方がない
人は希望と合わない出来事に遭遇すると、「どうしてこんなことになってしまったんだろう」と後悔します。
その問いに明確な答えが出るのなら、それから得られる学びをしっかりと胸に刻んで、今後、そういった後悔をしないように気をつければよいと心はスッキリします。しかし、やっかいなのは、そんな明確な答えが見出せない時です。
恋人との関係がギクシャクして、これから先は自分が手に入れたい幸せを望めそうもないと落胆した時、「どうしてあの人と出会ってしまったんだろう」と後悔しても、その「どうして?」に明快な答えは導き出せないでしょう。せいぜい「だって好きになってしまったんだもん」程度の理由しか出せません。それなのに、さらに「どうして出会ってしまったの?」と、自問自答を重ねてもスッキリする答えは浮かびません。ますますその恋愛自体への後悔の念を強めていくだけです。そんな恋愛をした自分を責め、相手への憎悪がわくだけです。そうなると心はとても苦しいです。食欲減退となり、生きる意欲さえ失ってしまう危険もあります。
突き詰めても、その後悔への答えがはっきりと出ない苦しみを解く方法は、「仕方がない」という言葉を自分へ投げかけてあげることです。
その異性と知り合ったことを今さら悔やんでも、過ぎ去った日々はもどりません。「どうしてこんな人と出会ってしまったのだろう」と後悔しても、その時、好きになってしまったんだから仕方がない、のです。
「仕方がない」を軽く、やさしく弱っている自分へと言ってあげましょう。決して強く、怒る感じでは言ってはなりません。責めるのではなく、それはただ「仕方がないことなのだよ」と自分に教えてあげるのです。
「あの人を好きになってしまったことは仕方がない」、「こんな結果になったことは仕方がないんだよ」とソフトに自分に言ってあげると、不思議なことに、さっきまで深い後悔で苦しんでいた心が、素直に「仕方がないんだ」と順応します。その時、やっと心をがんじがらめに縛っていた後悔も、自分への叱責も、相手への憎悪もきれいにほどくことができるのです。
自由になった心は、他の考えや気持ちを受け入れる余裕を持ちます。それまで心の緊張が原因で、ほとんど食事を取れなかったあなたでも、ちょっと何か食べようかなと思うかもしれません。「今さらクヨクヨしても過去の自分にはもどれない。仕方ない」と思えたら、明日の自分のために明るい色のルージュを買おうと思うかもしれません。
「仕方がない」は、その後悔に執着していた心へさわやかな風を送ってくれます。そして、そのさわやかさに誘われて心は、執着を解くことができます。執着から離れた心は、その問題に対して、それまで下すことができなかった結論をみつけてくる可能性も出てきます。それが「冷静になる」ということです。
後悔の気持ちがいっぱいの時に、いくら自分に「冷静にならなければだめ」と叱責しても、それは不可能です。そんな時、「それは仕方がなかったんだよ」と自分にやさしく言ってあげることで、それまで感じることができなかった新たな考えが心に入り込む余地が生まれ、それは冷静さを生み出します。
「確かに心は傷ついているけれど、その経験は仕方がなかったんだよ。でも、それを経験できたこと自体がすばらしいことなんだよ。そこから学ぶものがおおいにあるのだから」と、「仕方がない」を受け入れた自分をほめてあげましょう。すると、あなたの心に明日への生の意欲がわくでしょう。
どんなに苦しみ、傷ついたとしても、それらは、すべてあなた自身の魂の成長におおいに役立ってくれます。心が躍るうれしい経験も、死ぬほどつらく苦しい経験も、あなたが経験することは、すべてすばらしいあなたへの贈り物です。したがって、あなたが経験するすべての出来事は、「仕方がない」ことなのです。
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