カテゴリー: 人生, 生きる・目的・変化
第262回 私らしさを得るには
先回、先々回と、「人生を肯定して生きる」ことの意義を書きました。それは、生き甲斐や、幸せな実感、という誰もが欲しがる理想を現実のものとする方法として、自分の身に起こる出来事を肯定しようと提案しました。今回は、その流れを汲んで、「私らしく生きる」ということにスポットライトを当てたいと思います。
人生での生き甲斐を語る時、「私らしさ」という視点ははずせません。それは、今、生き甲斐を得ていると自分が実感しないと、生き甲斐は、どこにも存在しなくなります。つまり、生き甲斐は、それを感じる人の主観によるものと言えます。そこに、「私」という主体性が深く関わります。
よく「私らしく生きたい」と言います。それは、「私らしさ」があれば、その人生に生き甲斐が生じ、幸福になれる、と期待するからでしょう。換言すれば、私らしさが無い人生は、生き甲斐が生まれにくく、幸福にはなれない、となります。つまり、この人生を幸福に過ごしていくには、「私らしさ」がどうしても必要ということでしょう。ならば、人生に「私らしさ」を増やしていくことが先決です。
それでは、「私らしさ」は、どうしたら増えるのでしょうか。あるいは、どうしたら「私らしい」という実感を得られるのでしょうか。
それは、視点を自分に向けることです。日々の生活の中で出合うさまざまな出来事について、自分はそれをどうとらえているのか、どう感じているのか、に着目することです。そして、浮かび上がる感情や思考をそのまま受け入れます。そこで大切なのは、それこそが自分らしい感じ方なので、それを批判したり、糾弾しないことです。まずは、それをそのまま認めることです。その上で、世間とのバランスを上手に保つために、その感覚をそのまま表に出すのか、それとも、加工して表現するのか、を決めます。
その一連の作業を丁寧に繰り返していくことで、自然と「自分らしさ」は備わっていくでしょう。それが積み重なれば、「私らしい」という感覚に自信を持てます。
現代は、個々人がそれぞれの「私らしさ」を形成していくのに、うってつけの時代です。私たちは、自由です。そして、自分を縛る身分制度もありません。それなのに、自分自身の感情や思考に重いふたをして、私らしく生きることを阻止し続けると、必ず何らかの病や不調が訪れます。それでも、まだ自分を殺して世間に全面的に適合させようとすると、その病はどんどん重くなります。しかし、そこで立ち止まって、自分の心の声に耳をすませ、その声を聞こうとすると、症状は改善していきます。
病や不調は、見失ってしまった「私らしさ」を取り戻すことを教えてくれる愛の使者です。その意味では、そういったものが身に起きた時は、絶好のチャンスです。人生を軌道修正するために訪れた好機ととらえましょう。
しかし、わざわざ病気になりたいと望む人はいないでしょう。この人生を病気にならずに健康に過ごしたい、と願うのなら、自分らしく生きることから逃げないでください。自分の人生を粗末にしないでください。自分の人生なのに、他人事のように斜に構えて、「どうせ私なんて・・・」などと、軽々しく切り捨てないでください。カッコつけないでください。代わって、とことん自分自身と向き合ってください。自分の感情や思考を汲み取ろうと、自分に寛大になってください。自分と常に向き合う忍耐強さを身につけてください。
私たちは、この自由で平等な世の中で生きることを選択しました。それは、それまでの多くの過去の人生を積み重ねて、やっと「自分らしく」生きることを自分に許したのでしょう。今生で、どのくらい自分らしく生きていけるか、を誰もが試したがっていると思えて仕方がありません。
「現代は生きにくい」と嘆く声をよく耳にします。それは、生きる上での指針を見つけにくい、ということでしょう。しかし、もし、これまでのように生き方が限定されてしまう一元的な指針が与えられてしまったら、私らしく生きていくという自由は許されません。現代は、各人がおのおのの価値観を自由に持つことができるよい時代です。
人生に生き甲斐を見出すには、私らしく生きることが求められます。それには、自分としっかりと向き合って、心の声に耳をすまし、その声をありのまま認めてあげる自分へのやさしさが必要です。その上で、世間との関わりを持つことです。それを実行すれば、私らしく生きていくことの自由を楽しみ、同時に、不随する応分の責任もしっかりと果たせます。そこに、自尊心が生まれます。
自分のプライドを大切にできれば、私らしさに自信が持てます。結果、人生の生き甲斐を次々と発見できます。そして、その喜びに素直に感謝できるでしょう。感謝は、周囲の人々に幸福を与えるので、ますます生き甲斐のある人生を歩めます。
♦セッションお申込みについて♦
現在は東京都23区内で人生の意味や結婚、離婚、家族関係、人間関係、病気の意味、など人生そのもののご質問から、過去生(前世)など、幅広くご相談をお受けしています。
当サイトからオンラインでご予約頂けます。
12月度のお申込み
12月分のご予約は終了しました。