カテゴリー: 人間関係, 職場
第90回 仕事は自己表現の場
最近、「現在の仕事に対する漠然とした不満や不安を抱えているが、それはどうしてなのか」というご質問を重ねて受けています。
ご質問をされる方々の職業はさまざまで、意地悪な上司にいじめられている訳ではなく、会社が移転して自宅から遠くなったというような物理的な変化があった訳でもなく、ただなんとなく今の仕事をこのまま続けていいのかな、続けていけるのかな、もしかしたら今の仕事は自分に合っていないのかなと不安に思っているという感じです。
そこでメッセージをお伝えするわけですが、その理由は、仕事において「ご自分の個性を殺しているから」と要約できます。
たとえば、先生をされている場合、「先生らしく」するということが一番大切だと信じていると、いつでも、どんな時でも常に同じ精神状態で、同じ速度で同じレベルで教えなくてはならないと自分を縛ってしまいます。しかし、果たしてそれは実行可能でしょうか?
毎日、天気も気温も湿度も異なります。1日として同じ日は存在しません。私たち人間の肉体も日々細胞が生まれ変わっていますので、昨日と同じ自分は存在しないと言えます。心も日々体験するさまざまな出来事によって揺れ動きます。したがって、毎日同じ教え方ができる先生がいたら、それはもはや人間ではなくロボットでしょう。
私たちは人間です。個性を持った人間なのです。自分なりの思考を持たないで生きることはできない生物です。それなのに、仕事にだけ自分を滅して取り組むことは無理があると思いませんか?
大人になると仕事をする時間はトータルすると膨大になります。どんな仕事をするにしろ、1日の中で仕事が占める割合は少なくないはずだから、仕事の中で自分の存在感を無くそうと努力をすることは苦行となります。だから、その苦行を重ねるだけ、仕事に対して前向きなやる気を持ちにくくなったり、なんとなく不安になったり、その仕事が自分に合っていないのではないかと感じてしまうのは当然ではないでしょうか。
こういった質問をされたある方は、これまで仕事の会議で自分の意見を述べたことがないと話していました。その方は「私なんかが意見を出していいのだろうか」という気持ちがあるから発言できないと言われていましたが、ご自身がそれを全面的に肯定し、疑問に思わないのであれば、そんな不安や不満は湧き上がることはないでしょう。すると、そんな質問は発生しないはずですよね。
「私なんか」と表面的には自分を卑下しているけれど、会議で何も考えていないわけではないのだから、自分なりの考えや意見は浮かんでいるのです。それを表現しないのは、自分の存在を自分で消していることになります。自分の個性を自分で殺しているのです。しかし、その苦行を続けてきて、とうとう自分自身が耐えらなくなってきたのです。
この質問が出された今こそ、自分の存在を仕事で表現するチャンスです。その方には、「会議では言える範囲でよいから自分の意見や考えを言ってみましょう。そうすれば、とても心が楽になって、仕事への意欲がわいてきますよ」とアドバイスをしました。こんなこと、結構あると思いませんか?
どんな仕事でも、人が実行してはじめて成り立ちます。どんな仕事に就いても、「自分らしさ」を消し去ることは不可能です。日々変化していく私であるから、毎日の仕事の内容も変化してよいのです。思考もいつも同じである必要はなく、その日、その日で変化しても問題はないのです。
仕事とは、私たちにとって「自己表現」の場です。仕事というステージで、私たちは自分の思考を思い切り表現したいと望んでいるのです。がまんしなくてよいのです。自己表現をすることで気分爽快になって、仕事への意欲がわいて、輝く私をどんどん表現することを通じて、それぞれの人生の使命を果たすことができます。私たち大人は、それが責務です。
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