カテゴリー: 人間関係, 共感・表現・感謝・役に立つ
第122回 自分を語れ!
私たち日本人は、「謙虚」を美徳と感じます。
謙虚 ・・・ 控えめな態度であり、他者の意見を自分の意見より尊重すること、と解釈されます。
それとは反対の、でしゃばりや、自己主張の強い人は、日本人の好きな「和」を乱す要因にもなりかねないと敬遠されがちです。
相談にいらっしゃる方々も、この日本人気質を見事に体現されて、またそれを遵守されておられる、いわば、日本人の鑑のような方々がとても多いです。
そして、そういう方々は、深く苦悩されておられます。
「いったい私は何者なのか」と。
それが、仕事の悩みとなれば、たとえば給料の額が低いとか、仕事が合わないとか、職場の人たちが嫌いとか、そういった、はっきりとした理由が見当たれば具体的な解決法を考えられるのですが、なんとなく仕事に身が入らない、漠然と今の仕事を辞めたい、といった場合は、どう解決したらよいのかわからない、といった感じになりやすいようです。
そこで、私は、まず「仕事において、ご自身の意見や気持ちを周囲に言っていますか?」と問いかけています。
すると、みなさん、答えは、いっせいに「NO!」なんですね。中には、「仕事において自分の意見など言ってはいけないと思っていた」と付け加える方もいらっしゃいます。
お目にかかる方々が就いている仕事の内容も、仕事上での立場もさまざまではありますが、そんな方々に共通していることは、ロボットではない、ということです。名前がおのおの違うように、一人一人、個性を持った血の通った人間だということです。
それが、より一層和を重んじなければならない仕事という側面では、謙虚さを旨としなければと自分をいさめてしまいがちです。
会議の席でも、打ち合わせでも、そこでいろいろと思うことはあるのに、名指しされて意見を求められることも皆無ではないのに、頑なに口をつぐんでその場を耐え忍ぶことを繰り返しているうちに、自身の存在の重さを実感できなくなったというのが、仕事上の悩みの真相です。
ならば、勇気を出して、自分の意見や思いを言葉に表わせば、解決しますよね。
そうしたからって、その人がいきなり謙虚でなくなる、図々しくなるとは言えないでしょう。
自分の思いを伝える時、その言い方に気をつけることは、大人としてのエチケットです。それができていれば、謙虚さを失いません。
私は、謙虚とは、自分の思いを伝えることを我慢することではなく、周りの人々への気配りや思いやりを踏まえながら、その時々に感じること、考えることを口にすることだと思います。周囲の人々への配慮を忘れなければ、相手の話もますますよく聞くことができるでしょう。
自分が語れば、相手も必ず語ってくれます。相手は、自分の鏡なのです。
そのキャッチボールを体験すると、自分の思考を自ら確認できるので、自身の存在の重さをしっかりと実感できます。それが仕事の面で生かされれば、それは仕事のやりがいとなってくれるはずです。仕事は楽しいと思えるでしょう。
仕事も、プライベートも、どんな場面でも、それらはすべて自己表現の場です。
自己表現であればこそ、自分を語らなければ、その場は成り立ちません。
もし、今あなたが人生の歩みの中で、心がすっきりしない、何か漠然と不満があると感じているのなら、「私は、私を語っているか?」と自問自答してみてください。
周囲への配慮を忘れず、自分を語れる人は、相手を緊張させないし、相手も自分の気持ちをたやすく口にすることができるので、人望のある、魅力あふれる人と評価されるでしょう。
21世紀の自由な国、日本に住む私たちの美徳は、このコミュニケーションの豊かさに求められていると私は実感しています。
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